紅皿③ ~ 山吹の里

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いまも昔もヒトの考えることって実はあんまり変わらない。
日本舞踊のストーリーを読み解いて、そこに登場するキャラクターたちの現代にも通じる想いを
お伝えしていきたいと思います。
もしかしたら、あなたの悩みを解決するヒントがみつかるかも…

今回は、紅皿と太田道灌のお話です。新宿中央公園に「久遠の像」と呼ばれる銅像があります。
これは、太田道灌と村娘の銅像で「山吹伝説」といわれるお話を題材にしています。

|太田道灌

太田道灌は、室町時代後半に関東地方で活躍した武将です。数多くの戦いを頭脳戦で制した負け知らずの
名将で、軍法師範と称されていました。また、詩歌にも優れていて学僧や歌人とも親交が深く、江戸時代には
「文武両道の鑑」と言われ、人気が高かったといいます。扇谷上杉家の筆頭重臣として仕えていた太田道灌は、
内乱状態だった関東地方の北部から敵が侵攻するのを防ぐ重要な拠点として江戸城を築きました。徳川家康は、
1603年に江戸幕府を開いて江戸の町を作りますが、太田道灌は、そのずっと前から江戸が発展する可能性を
見出していたのかもしれません。
しかし、1486年、太田道灌は主家の扇谷上杉家当主、上杉定正に才能と名声を妬まれ暗殺されてしまいます。
道灌は最期に「当方滅亡」と言って息絶えたといわれていますが、「当方」とは自分のことではなく、主家の
ことで、この予言の通り、関東の上杉家は衰退の一途を辿り、その隙を突いて小田原の北条氏が関東へ進出し、
関東の上杉家は越後の長尾景虎(後の上杉謙信)に上杉の名前を譲ることになります。
江戸時代、道灌の生き方や最期が判官贔屓の江戸庶民に受け、道灌の出生から死までの一生を6冊にまとめた
「太田道灌雄飛録」という書物まで刊行され、ベストセラーになりました。

|七重八重

太田道灌にまつわる有名なエピソードに「山吹伝説」があります。そして、このお話が「紅皿缺皿」の元に
なったのではないかと言われています。「山吹伝説」には継子いじめの部分はなく、とても奥ゆかしいお話
です。「紅皿欠皿」とは継子の姉と継母の実子の妹の名前が入れ違っていますが、兄弟や姉妹の名前が入れ
替わることは、この時代にはよくある話だったようです。

|山吹伝説

太田道灌は、鷹狩りの途中で急な雨に遭い、農家に立ち寄って蓑を借りようとします。声を掛けると、娘が
出てきて黙って一枝の山吹を差し出しました。娘の意図を理解できなかった道灌は、腹を立てて帰宅します。
家臣にこの話をすると、兼明親王の歌「七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」に
託して「実の」に「蓑」を掛けて「貧しい家なのでお貸しする蓑もございません」と詫びていたのだと諭され
ます。娘の奥ゆかしい断り方に気付かなかった自分を恥じた道灌は、この後、和歌に精進するようになったと
言われています。

東京都立図書館所蔵 月岡芳年作 「新撰東錦絵太田道灌初歌道志図」
https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000003-00051019

|その後

この「山吹伝説」には続きがあります。この一件の後、和歌を勉強した太田道灌は宮中で天皇と和歌のやりとり
をするレベルにまで達します。また、道灌は、その山吹の一枝を差し出した娘を江戸城に招いて和歌の友とした
といわれています。そして、その娘こそが紅皿でした。道灌が亡くなった後、紅皿は新宿区大久保に庵を建てて
尼となりました。西向天神社の大聖院には紅皿の墓と伝えられる「紅皿の碑」があります。

|最後に

いかがでしたか。
控え目だけど機転の利いた紅皿の行動には知性と品格を感じますが、忖度せずに主人の道灌を諭した家臣、
それを素直に受け入れた道灌にも器の大きさを感じます。悪人がひとりも登場せず、登場人物全員が優れた
人格もっている素敵な伝説です。
次回は、シンデレラのお話です。

 

 

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